家族介護

先日、旦那さんを家で介護をしている方(奥さん)と話す機会がありました。印象に残った2つの話を紹介します。

■どなたか知りませんが、家まで着きました。ありがとう。

ご夫婦はどちらも70歳を越えており、2人で暮らしています。旦那さんは認知症を患っており放浪癖があるようで、どこかへ出かけ、たまに戻ってこれなくなることがあるそうです。ある日は、旦那さんを近所で見つけることができ、家まで連れて帰ってきたそうですが、家に到着した旦那さんは奥さんに「どなたか知りませんが、家まで着きました。ありがとう。」とおっしゃったそうです。長年付き添ってきた旦那さんに言われることは、とてもショックだったそうですが、誰かに話すと少し気が楽になるそうです。(私も少しは役に立ちました。)

 

■夫婦2人救急車

奥さんも持病があるそうで、ある日の夜中に調子が悪くなり、救急車をよんだそうです。旦那さんは元気なのですが、誰かに連絡して旦那さんを見てもらう術はなく、とは言っても旦那さんを独り置いてくわけにもいかず、夫婦2人で救急車に乗ったそうです。その後、こういった場合にもサポートするサービスは無いのか?調べてみると、自治体によっては、深夜・早朝帯の緊急時にホームヘルパーが駆けつける制度を開始しているようですが、介護保険が適用されるのは要介護認定者(上記の場合、旦那さん)の場合で、介護者(上記の場合、奥さん)の場合は適用されないことが分かりました。その他の方法としては、自費でヘルパーを派遣してもらうサービスを利用するようですが、何しろ急ななことなので、やはり夫婦で救急車にのるしかないのかと思いました。

 

家で介護する家族の負担を実感しました。改めて、介護に必要なサービスを考えるきっかけになりました。

 

参考までに、厚生労働省が行う「平成22年国民健康基礎調査」では、介護が必要な方の主な介護者は、約64%が同居の家族と報告されています。

表 要介護者等との続柄別にみた主な介護者の構成割合の年次推移(単位:%)

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(調査数:7,192人、回収数:6,176人、有効回答数:5,912人)