健康経営

私は、入社時に同期に誘われ、会社のサッカー部に入部し、今も所属しています。最近は部員の平均年齢も上がり、子育てなどの理由で試合を組んでも11人集まらない状況になっており、部長から部の存続について意見を求められることがありました。

私自身は、仕事では関わらなかったであろう会社の人たちやOBと会うことができ、面白い後輩にも恵まれ入部して良かったと思っています。また、何より定期的に適度な運動ができる環境は貴重だと感じています。何とかサッカー部を存続させたいと思っています。

サッカー部の存続についてはここまでにしますが、サッカー部のような、企業の運動部は従業員(部員)の肉体的・精神的な健康を維持し、従業員のパフォーマンスを上げるための貴重なコミュニティではないかと思いました。(例え、有名な大会で優秀な成績をおさめ、会社の認知度を上げられなくとも。)今後、企業が積極的に従業員の健康増進を行い、生産性や収益性の向上を目指す「健康経営」において、長期的に存在価値を増すように思います。

とは言っても、根拠がある訳ではありませんので、運動部の部員と従業員間で「平均の年間医療費」、「生活習慣病で通院している人の割合」、「平均の血圧や血糖値」、「勤務満足度」、「平均就業年数」、「平均の業績評価」などを比較できれば明らかになるのかと思います。

また、日本政府は「国民の健康寿命の延伸」をスローガンに掲げ、「日本再興戦略」の改訂(平成26年6月24日 第6回経済財政諮問会議産業競争力会議合同会議)を通して、従業員の健康増進に力を入れることで、企業の競争力を高める議論をしており、健康経営に取り組む企業が社会で評価される仕組みについても明文化されていますので、上記のような評価指標は今後出しやすくなると考えられます。「日本再興戦略」の改訂版から一部抜粋すると下記のように記載されております。

  • 健康増進に係る取組が企業間で比較できるよう評価指標を構築
  • 評価指標が今後、保険者が策定・実施するデータヘルス計画の取組に活用されるよう、具体策を検討
  • 東京証券取引所において、新たなテーマ銘柄(健康経営銘柄(仮称))の設定を検討
  • 「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」や CSR 報告書等に「従業員等の健康管理や疾病予防等に関する取組」を記載
  • 優良取組事例の選定・表彰

ただ、一部抜粋を読むと、株式市場に上場しているような大きな企業をターゲットにしているように受け取れます。個人的には中小企業を含め横断的に比較可能な(算出しやすい)評価指標を構築し、評価される仕組みとなってほしいと思います。

 

「健康経営」とは・・・特定非営利活動法人健康経営研究会は、「企業が従業員の健康に配慮することによって、経営面においても大きな成果が期待できる、との基盤に立って、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践することを意味している。従業員の健康管理・健康づくりの推進は、単に医療費という経費の節減のみならず、生産性の向上、従業員の創造性の向上、企業イメージの向上等の効果が得られ、かつ、企業におけるリスクマネジメントとしても重要である。」と紹介しています。具体的な内容は、週刊経団連タイムスの「目指せ健康経営/従業員の健康管理の最前線」が分かりやすくまとめていますので、こちらを参照ください。

株式会社電通、ヘルスケア・コミッティー株式会社、株式会社日本政策投資銀行らは東証1部上場企業を対象(全1,695社中226社が回答)に「健康経営」の実態調査を公表していますので、こちらも参照ください。